母子家庭であることを理由に、マイホームの購入をあきらめている方は少なくないでしょう。
ただ、シングルマザーであってもマイホームを購入された方はたくさんいらっしゃいますし、住宅ローンを利用している方も多いです。
では、母子家庭でマイホームを購入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
また、デメリットや注意点は何でしょうか。
いま賃貸で暮らしているシングルマザーの方がマイホームを購入するメリットや注意点、資金計画のポイントなどをまとめて解説します。
母子家庭で持ち家を購入するメリット
賃貸に住んでいる母子家庭の方がマイホームを購入すると、以下のメリットが受けられます。
家賃の支払いがなくなる
賃貸に住んでいると毎月家賃がかかります。
しかし持ち家には家賃の支払いはありません。
「家賃を支払うと生活費が足りなくなる」というシングルマザーの方には、大きなメリットといえるでしょう。
「でも住宅ローンの返済に追われるのでは?」と心配されている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし住宅ローンには完済があります。返済を終えたら住居費を大きく減らせますので、老後を安心して過ごせることも持ち家のメリットです。
団体信用生命保険に加入できる
住宅ローンを利用して家を購入される方は「団体信用生命保険(団信)」への加入が求められます。
この保険は、契約者が亡くなるなどしてローン返済ができなくなっても、保険会社が代わりに完済してくれるというものです。
保険に加入していれば、母親に万一のことがあっても子どもにはローンが残りませんし、引き続きその家で暮らすことも可能です。
最近の団体信用生命保険は特約が充実しており、女性特有の医療特約が付帯できる商品もあります。
こうした保険を選ぶことで、いま加入している医療保険や生命保険を見直せ、家計が改善できることも大きなメリットでしょう。
子どもに資産を残せる
賃貸はいくら家賃を払っても自分のものにはなりませんが、持ち家なら住宅ローンを完済すれば完全に自分のものになります。
子どもに相続することも可能ですし、売却することもできます。
また、賃貸として貸し出せば、家賃収入を得ることも可能です。
セキュリティの充実した物件が多い
マンションであれば、賃貸よりも分譲の方がセキュリティ対策の充実した物件が多いです。
小さな子どもが一人で留守番をするときでも、不審者が侵入する心配がなく安心でしょう。
もっとも賃貸にもセキュリティの充実した物件はあります。
ただしその分、家賃が高くなります。
母子家庭が家を購入する注意点と対策法
母子家庭の方がマイホームを購入するとさまざまなメリットがある一方で、デメリットや注意点もいくつかあります。
ただ、対策を講じることで解決できるポイントもありますので、あきらめないことが大切です。
子どものことも考えた物件選びをする
物件選びの際には、できる限り子どもとの時間を作れる家を探すことが注意点の一つです。
たとえば職場までの通勤時間が長ければ、その分子どもと過ごす時間が短くなってしまいます。
できる限り職場に近い物件を探すことで時間を作りやすくなるでしょう。
また、託児施設や保育園、学校などに近い物件だと、何かあってもすぐに駆けつけられるので安心です。
帰りの遅い方は帰宅時間まで預けられる託児施設などが近くにあるかもチェックしましょう。
修繕費や税金などを踏まえた資金計画を立てる
賃貸の場合、備え付けの給湯器やエアコンなどが故障しても、修理や取り換えはオーナー(管理会社)が対応してくれます。
固定資産税や火災保険料の支払いも、また建物のリフォーム費用も、賃貸であればオーナーの負担です。
持ち家の場合、これらの費用はすべて自己負担になります。
突然の出費に備えて計画的に貯蓄することもポイントです。
将来を見据えて物件を選ぶ
持ち家は住み替えが簡単にできないこともデメリットです。
たとえば、再婚して新しい家族が増えたとき賃貸であれば簡単に引っ越せますが、持ち家だと今の家を売却したり新しい家を購入したりと手間がかかります。
間取りを変更しやすい家や資産性の高い物件を選ぶなど、将来を見据えた家選びをすることもポイントです。
母子家庭でも住宅ローンを利用できるの?
「シングルマザーだと住宅ローンの借り入れができないのでは?」と思われている方もいらっしゃるでしょう。
結論からいえば母子家庭の方でも住宅ローンは利用できます。
「母子家庭だから」という理由だけで、金融機関の審査に落ちることはありません。
住宅ローンの審査で金融機関が重視するのは「返済能力」です。
たとえば「年収に見合う借入額か」「無理のない返済プランが立てられるか」「安定した収入があるうちに完済できるか」「団体信用生命保険に加入できる健康状態か」といった観点から審査をしています。
これらの条件をクリアできる方であれば、シングルマザーでも住宅ローンを利用してマイホームを購入できるチャンスが大いにあります。
母子家庭で家を購入するのに必要な年収は?
「いまの年収だと審査に通らないのでは?」と、不安に思われているシングルマザーの方も少なくないでしょう。
金融機関が返済能力を調べるうえで年収も審査項目の一つです。
ただ、年収が低いからといって審査に通らないわけではありません。
それよりも金融機関が重視するのは「安定した収入があること」です。
一例として、イオン銀行では年収100万円の方でも申し込みが可能です。
ただし、給与所得者は6ヵ月以上勤務していること、個人事業主の場合は事業を3年以上継続していることを条件としています。
ほかにも、地方銀行や信用金庫のなかには、年収200万円台で収入が安定していれば相談にのってもらえるところもあります。
このように年収の少ない方でも借り入れできる金融機関はありますので、あきらめずに探すことが大切です。
年収別の借入可能額
とはいえ、収入が少なければ融資額も少なくなるため、選べる物件が限られてきます。
「いまの年収でどれくらいの融資を受けられるの?」と気になっている方も多いでしょう。
ここで、借入可能額の目安を年収別でまとめました。
前提条件として、「返済期間は35年(元利均等返済)」「金利1.88%(全期間固定金利)」「返済負担率は25%」でシミュレーションしています。
あくまでも目安の額ですから参考までにご覧ください。
年収 | 借入可能額 |
100万円 | 640万円 |
150万円 | 961万円 |
200万円 | 1,281万円 |
250万円 | 1,601万円 |
300万円 | 1,922万円 |
350万円 | 2,242万円 |
400万円 | 2,563万円 |
450万円 | 2,883万円 |
500万円 | 3,203万円 |
参考:住宅保証機構「住宅ローンシミュレーション」
住宅ローンの審査に通りやすくなるポイント
住宅ローンの審査項目は、年収のほかにも「年齢」「勤続年数」「他のローンの借入状況」など項目は多数あり、金融機関によっても異なります。
ここで、母子家庭の方が住宅ローンの審査に通りやすくなるためのポイントをいくつか紹介しましょう。
勤続年数が長い
金融機関では安定した収入があることも審査でチェックしています。
具体的には「勤続年数の長さ」がポイントです。
一般的には、同じ会社に3年以上勤めている方は審査に有利といわれます。
正社員に限らず、契約社員やパートなどでも長く勤めていれば審査に通る可能性は十分にあります。
逆に転職を繰り返している方や、育休明けで働き始めて間もないシングルマザーの方は審査に不利です。
ただしフラット35のように勤続年数を問わない住宅ローンもありますので、自分に適した商品や金融機関を選ぶこともポイントです。
借金を完済する(または減らす)
多くの金融機関では、住宅ローン以外の借り入れ状況も審査でチェックしています。
キャッシングや教育ローン、自動車ローンなどの借り入れ状況や、その延滞・滞納の有無も審査に影響を与えるのです。
これらのローンを完済することも、住宅ローンの審査に通りやすくするためのポイントです。
完済が難しい場合は、金利の高いローンを優先して、できる限り減らしてから申し込みましょう。
母子家庭が利用できる公的機関の融資制度
住宅購入の資金を借り入れできるところは銀行などの民間金融機関だけではありません。
自治体などの公的機関でも母子家庭の方を対象とした融資を行っています。
貸付限度額は少ないものの、無利子で借り入れできるといったメリットもありますので検討したいところです。
たとえば、神奈川県の場合は「母子父子寡婦福祉資金貸付金」という制度があります。
これは、修業資金や修学資金など複数の種類があり、その中に住宅の購入や建設に必要な資金の一部を支援する住宅資金制度があります。
この制度の貸付限度額は、150万円(特別な場合は200万円)。返済は6ヵ月後からスタートし、返済期間は6年(特別な場合は7年)です。
母子家庭または父子家庭のみが利用できる制度ですので検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
「家を買うのはハードルが高い」と考えているシングルマザーの方も少なくないでしょう。
しかし、自分に適した物件や住宅ローンを探せば母子家庭の方でもマイホームを購入できるチャンスはあります。
賃貸で一生暮らすのも一手ですが、老後のことやお子さんのことを考えるとマイホームを購入した方が安心感を得やすいでしょう。
センチュリー21住宅ファクトリーでは、シングルマザーの方をはじめ教育ローンなど他に借り入れが多い方でも、住宅ローンの審査通過実績が多数あります。
お客様の状況にあわせて「家計にやさしい家探し」をご提案していますので、ぜひご相談ください。
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